内定を出したあとに辞退される。そのたびに、また求人票を書いて、また面接して、という繰り返しに疲れている採用担当の方は少なくないと思います。内定辞退の防止を考えるとき、「面接を増やす」「懇親会を開く」という対策がよく挙げられます。しかし根本的な問いは、「入社前に仕事のリアルを、きちんと見せられているか」ではないでしょうか。
「こんな仕事と聞いていない」「思っていたのと違った」。こうした理由による早期離職は、ほとんどの場合、入社前の情報が不足しているか、実態と乖離していることが原因です。求人票の文章や、整えられた会社説明会の資料だけでは、現場の空気まで伝えることはできません。
この記事では、内定辞退や入社後の早期離職がなぜ起きるのかを整理したうえで、「入社前に仕事のリアルを見せる」というアプローチが、どのように採用のミスマッチを減らすことにつながるかを説明します。
内定辞退はなぜ起きるのか
内定辞退の理由はさまざまですが、「仕事内容や職場の雰囲気が、想像と違った」というイメージギャップは、その一因として現場の採用担当からよく聞かれます。会社説明会や面接では、企業側も求職者側も、どこかよそゆきの姿を見せがちです。結果として、内定後に改めて「本当にここで働けるか」を考え直したとき、判断材料が足りずに不安になる。その不安が辞退につながるケースがあります。
現場仕事、とりわけ建設・整備・製造・運送・介護といった業種では、仕事の実態がイメージしにくいという課題が特にあります。体力的な側面だけが先行して伝わり、「実際にどんな人がいて、どんな空気の中で働くのか」が見えないまま入社してしまう。これが「思っていたのと違う」という感想につながります。
「入社前に見せておけば」と思う瞬間
採用動画の撮影現場では、思わぬ場面に気づかされることがあります。休憩中のバックヤードで社員同士が交わす何気ない雑談。カメラを向けているわけでも、台本があるわけでもない、ごく普通のやりとりです。そのシーンを見たとき、「入社前にこれを見せられたら、辞める人が減るのに」と感じた、という現場の声があります。
職場の人間関係や空気感は、採用担当がいくら言葉で説明しても、なかなか伝わりません。しかし映像で「そのまま」見せることができれば、求職者は入社前に「自分がここで働けるか」をある程度イメージできます。合わないと感じた人は応募しない。合うと感じた人だけが来る。これが、内定辞退と早期離職の両方を減らす考え方の土台です。
「リアルを見せたら来なくなる」という不安について
現場のきつさや地味な作業を正直に見せたら、もっと応募が減るのではないか。そう感じる経営者や採用担当の方もいると思います。これは自然な不安です。
ただ、視点を変えると、現場のリアルを見て「それでも働きたい」と思った人だけが応募してくる状態は、採用の精度という意味では高い状態です。入社後に「こんなはずじゃなかった」と辞めてしまう人を、入社前に見極めてもらうという考え方です。きれいごとだけを見せて来てもらっても、現場の実態とのギャップで早期離職が起きれば、採用にかけたコストはそのまま消えていきます。
来てほしい人だけが応募する採用に変えていくことが、長い目で見ると採用コストを抑えることにもつながります。
「未経験者の本気の1日」を撮る
では、入社前にリアルをどう見せるか。一つの考え方として、「未経験者が実際に1日働く様子を、台本なしで撮る」という手法があります。
採用ドキュメンタリーと呼ばれるこのアプローチは、会社のPR映像とは異なります。カメラの前で会社の良いところを語るインタビューではなく、実際に仕事をしている現場の様子をそのまま収めます。未経験者が戸惑いながら覚えていく姿、先輩社員の関わり方、休憩中の雑談。そうした「飾らない場面」こそが、見る人に「ここで働くとはどういうことか」を正直に伝えます。
演出された会社紹介動画が「来てほしい人全員に向けたもの」だとすれば、こうした採用ドキュメンタリーは「来てほしい人だけに向けたもの」という性質を持ちます。
ショート動画と本編、それぞれの役割
動画の形式は目的に応じて使い分けることができます。
| 形式 | 主な配信先 | 長さ | 役割 |
|---|---|---|---|
| ショート動画 | TikTok / Instagram | 30〜60秒・縦 | 若年層への認知・入口 |
| 本編 | YouTube | 10〜15分・横 | 仕事の詳細・本気度を伝える |
ショート動画は、若い世代が日常的に使うSNSで会社を知ってもらうための入口になります。本編は、本当に興味を持った人が「もっと詳しく知りたい」と思ったときに見るコンテンツです。両方を組み合わせることで、認知から応募意欲の醸成まで、段階的にカバーできます。
特に効果が期待できる業種
仕事内容がイメージしにくく、かつ「来てみたら違った」というギャップが起きやすい業種ほど、入社前に映像でリアルを見せることの意味が大きくなります。具体的には次のような業種が挙げられます。
- ガソリンスタンド
- 建設業
- 整備業
- 製造業
- 運送業
- 介護・福祉
これらの業種は、求人票の文章だけではどうしても「きつい・地味」というイメージが先行しがちです。一方で、実際の現場には「やりがい」も「人のつながり」もあります。それを言葉で説明するより、映像でそのまま見せる方が伝わります。
まとめ
内定辞退の防止を考えるとき、選考プロセスの工夫と並んで、「入社前に何を見せるか」を見直すことは大きな意味を持ちます。スタジオナナが提供する採用ドキュメンタリー「REAL JOB」は、未経験者が台本なしで「本気の1日」を働く姿を演出せずそのまま撮る、という考え方のサービスです。制作費用の目安は30万円〜、継続運用は月10万円〜です(いずれも目安)。
入社前に仕事のリアルを見せる採用ドキュメンタリー「REAL JOB」について、気になることがあればお気軽にご相談ください。
よくある質問
現場のきつさを見せたら、余計に応募が減りませんか?
「見せたら来なくなるのでは」という不安はよく聞かれます。ただ、現場の実態を見て「それでも働きたい」と思った人だけが来る状態は、採用の精度という点では高い状態です。入社後に「思っていたのと違った」と早期離職される方が、採用にかけたコストと現場の負担は大きくなります。きれいごとを見せずに「合う人だけが応募する」採用に変えていくことが、REAL JOB の考え方の核心です。
社員を出演させた場合、その社員が退職したら動画は使えなくなりますか?
これは採用動画を検討する企業からよく出る不安です。その場合は、社員の代わりにモデルを起用する方法があります。モデルが新入社員として一日働く姿を撮ることで、特定の社員に依存しない、長く使い続けられる動画を制作することができます。
どんな業種に向いていますか?
仕事内容がイメージしにくく、入社後のギャップが起きやすい業種ほど効果が期待できます。ガソリンスタンド・建設業・整備業・製造業・運送業・介護・福祉などが代表的です。「仕事はあるのに若い人が来ない」「来ても続かない」という悩みを抱える現場系の会社に向いています。