建設業の採用担当者から、こんな声をよく耳にします。「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用できても、すぐに辞めてしまう」。その背景には、建設業に対する「きつい・つらい」というイメージが世の中に根強く浸透していることがあります。
採用動画・求人動画の制作現場で建設業の現場を数多く撮影してきた経験からわかったことがあります。実際に働く若手の中には、モチベーション高く楽しんでいる人が確実にいるのに、その姿が外に伝わっていないのです。伝わっていないから選ばれない。これが、応募が来ない会社の本質的な問題の一つです。
福岡を拠点に全国で採用・求人動画を制作するスタジオナナでは、建設業をはじめとした人手不足の企業に対して、現場のリアルを映像で伝える提案を行っています。この記事では、建設業の採用がうまくいかない理由と、動画がその課題にどうアプローチできるかをお伝えします。
建設業の採用が難しい本当の理由
建設業は「肉体労働でつらい」というイメージが先行しています。求人を出しても若い人からの応募が集まらないという声は、業界全体で共通の悩みです。
しかし、現場を実際に撮影してみると、違う景色が見えてきます。若手のスタッフがベテランから技術を学びながら、達成感を持って働いている姿がそこにあります。「きつい」というイメージだけが世の中に浸透していて、「楽しんでいる若者もいる」という事実が届いていないのが実態です。
伝わっていない情報は、存在しないのと同じです。求職者は知らないものには応募できません。
早期離職はなぜ起きるのか――ミスマッチの正体
採用できても定着しない。この問題もまた、建設業の採用担当者が頭を抱えるテーマです。早期離職が起きる背景には、共通したパターンがあります。
入社前のイメージと、実際の仕事内容が乖離していること。これがミスマッチの正体です。「こんなはずじゃなかった」「聞いていた仕事と違う」という感覚は、入社後すぐに離職動機になります。
入社前に見せておけば防げたのは何か。それは「職場の雰囲気」と「どんな人が働いているか」という、言葉では伝えにくい情報です。テキストや写真で伝えるには限界があります。動画であれば、現場の空気感、先輩社員の表情、チームの関係性を、見た人がリアルに感じ取れる形で届けることができます。
応募が来る会社と来ない会社――映像が映す「職場の空気」
採用動画・求人動画の制作を通じて気づいたことがあります。サービス業かどうかに関係なく、身だしなみに気を配り、挨拶や責任感がある企業は、応募につながっていくという点です。
映像は、職場の空気をそのまま映します。整頓された現場、明るく挨拶する先輩、丁寧に後輩を指導する場面。こういったシーンは、意図して演出しなくても、日頃の現場の姿勢がそのままカメラに写ります。逆に言えば、普段から職場環境に気を配っている会社ほど、動画にしたときに魅力が自然と伝わります。
採用動画は「作るもの」ではなく、「現場を映すもの」という側面があります。
建設業の採用動画でよく使われる構成
建設業の採用・求人動画では、次のような内容が求職者に刺さります。
- 若手社員の一日に密着する
入社後の具体的なイメージが持てるよう、朝の集合から現場作業、休憩、帰宅までの流れをドキュメンタリー風に追います。「自分がここで働く姿」を想像してもらうことが目的です。
- 先輩社員の言葉を引き出す
「入社してよかったこと」「最初は大変だったけれど今は」という本音の言葉は、求職者の不安を和らげます。台本を読ませるのではなく、自然な対話の中から言葉を引き出すことで、誠実さが伝わります。
- 現場の技術・やりがいを見せる
建物や構造物が完成していく過程、職人技が光る瞬間、チームで達成感を共有する場面。こういったシーンは「きつい」というイメージを超えた、仕事の魅力を伝えます。
- 職場環境・人間関係の雰囲気を映す
休憩室の様子、先輩・後輩のやりとり、食事のシーン。言葉で語られなくても、映像から「ここは雰囲気がいい」と感じてもらえる構成です。
社員を出演させることへの不安――モデル起用という選択肢
採用動画の相談で意外と多いのが、「社員を出演させたいが、その社員が辞めてしまったら動画が使えなくなるのでは」という心配です。
この懸念は、まったく正当です。実際、出演していた社員が退職したことで動画を差し替えなければならなくなったケースはあります。
解決策として有効なのが、モデルを社員役として起用する方法です。モデルを起用した動画であれば、特定の社員の在籍状況に関わらず、長期間にわたって使い続けることができます。費用と長期的な活用期間を比較したとき、モデル起用が合理的な判断になるケースは少なくありません。
| 出演パターン | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 自社社員が出演 | リアリティが高い・コスト抑制 | 退職後に使えなくなるリスク |
| モデルを起用 | 長期間使い続けられる | モデル費用が発生する |
| 両方を組み合わせる | 職場のリアルと継続活用を両立 | 構成・コストのバランスが必要 |