介護・医療の職場は、求職者にとって「きつい」「夜勤がある」というイメージが先行しやすい業界です。採用動画や求人動画を用意しても、そのイメージを払拭できず、応募につながらないと悩んでいる担当者の方は少なくないと思います。
問題は、動画があるかどうかではなく、何を見せているかにあります。「きつい仕事であること」は求職者もある程度わかっています。求職者が本当に知りたいのは、「それでもなぜ、この職場で働く人たちはここを選び続けているのか」という理由です。
建設業の現場を取材する中で、代表の藤井は繰り返しこの構図を目にしてきました。「きつい」イメージだけが世の中に浸透していて、実は楽しくモチベーションを持って働いている人がいる——その「実は」が映像では伝えられる、と。介護・医療の採用でも、まったく同じことが言えます。
この記事では、介護・医療の採用動画において「夜勤がきつい」という事実をどう扱い、そこから先の「ここで働く理由」をどう映像で見せるかを、スタジオナナの現場経験をもとに整理します。
「夜勤がきつい」は隠す必要がない
採用動画を作るとき、ネガティブな要素は映像から排除したいと思うのは自然な心理です。しかし、夜勤の存在や体力的な負荷を動画の中から消そうとすると、かえって求職者の不信感を生みます。
求職者は「夜勤があること」はすでに知っています。知りたいのは「夜勤があっても、なぜこの人たちはここで働き続けているのか」という理由です。「きつさ」を正直に認めた上で、それでも働く理由を語ることが、共感を生む動画の基本姿勢です。
早期離職の多くは、イメージが先行して仕事内容が思っていたものと乖離していた場合に起きます。これはスタジオナナ代表の藤井が現場で繰り返し確認してきた事実です。逆に言えば、入社前にリアルな職場像を見せておくことが、離職防止にもなるということです。
求職者が動画で本当に確認したいこと
求職者が採用動画を見るとき、確認したい情報は主に二つあります。「職場の雰囲気はどうか」と「どんな人たちが働いているか」です。これは業種を問わず共通しています。
介護・医療の場合、特にこの二点が応募の判断材料になります。スタッフ同士の関係性や、先輩が後輩にどう接しているかは、テキストでは伝わりにくい情報です。しかし映像は、その場の空気をそのまま映し出します。挨拶の仕方、スタッフの表情、休憩時間の雰囲気——こうした「日常」が映っているだけで、求職者の判断材料は大きく変わります。
応募が来る職場と来ない職場の違いについて、藤井はこう話します。サービス業でなくても、身だしなみに気をつけている企業——挨拶や責任感も含めて——には応募につながると感じる、と。映像はその職場の「空気」をそのまま映すため、日常の積み重ねが動画の質に直結します。
社員インタビュー中心の構成が機能する理由
スタジオナナが先日担当した採用動画の撮影では、求職者向けに社員インタビューを中心に構成したところ、反応が良かったという手応えがありました。撮影は半日で完了しています。
インタビュー形式が有効な理由は、「語る人がいる」という事実そのものが説得力になるからです。会社や職場を紹介するナレーションよりも、実際にそこで働くスタッフの言葉の方が、求職者にとってリアルに届きます。
介護・医療の採用動画で社員インタビューを構成するときに機能する問いの例を整理しておきます。
| 問いの方向 | 引き出したい内容 |
|---|---|
| この仕事を選んだ理由 | 価値観・動機の共有 |
| 一番きつかった時期と、乗り越えた経緯 | 正直さと職場のサポート体制 |
| 今この職場で働き続けている理由 | 「ここで働く理由」の核心 |
| 一緒に働きたい人のイメージ | 求職者への具体的なメッセージ |
この順番で引き出すことで、「きつい」という事実を正直に認めながら、その先にある「ここで働く理由」が自然に語られる構成になります。
「社員が辞めたら動画が使えなくなる」問題への対処
採用動画の制作相談で多く寄せられる不安のひとつが、出演した社員が退職してしまった場合の問題です。金額よりもこちらを心配される担当者の方が少なくありません。
この場合、スタジオナナではモデルを社員役として起用することを提案しています。モデルを使えば、人物が退職するリスクがなく、長く使い続けられる動画になります。介護・医療の採用動画でも、実際の業務シーンをモデルが再現する形で制作することは十分に可能です。
一方で、実際のスタッフの「生の言葉」が持つ説得力は、モデルには出せない部分もあります。構成によっては、インタビュー部分は実スタッフ、日常業務シーンはモデル、という組み合わせも選択肢になります。どちらが適切かは、動画の目的と職場の状況によって変わるため、制作前のすり合わせが重要です。
介護・医療の採用動画に必要な「見せ方」の設計
「夜勤がきつい」という事実から出発して、「ここで働く理由」を着地点にする動画には、構成の設計が必要です。以下に、介護・医療の採用動画で機能しやすい構成の考え方を整理します。
- 現場の日常から始める
施設の外観や設備ではなく、スタッフが働いている日常の一場面から入ることで、求職者が自分が働く姿を想像しやすくなります。
- 「きつさ」を先に認める
夜勤の存在や体力的な負荷について、インタビューの中で正直に触れます。隠さないことで、その後の「それでも続けている理由」の信頼度が上がります。
- 働く理由を語ってもらう
「なぜこの職場で働き続けているのか」という問いへの答えを中心に置きます。待遇や福利厚生ではなく、スタッフ自身の言葉による動機です。
- 職場の関係性を映す
先輩・後輩のやり取り、休憩室での自然な会話、引き継ぎの場面など「関係性が見える」シーンを意図的に撮影します。
- 求職者へのメッセージで締める
「こんな人と一緒に働きたい」というメッセージをスタッフ自身の言葉で語ってもらうことで、求職者への呼びかけになります。
なお、スタジオナナの撮影は少人数・軽量機材で行うため、現場スタッフへの負担が最小限です。「もう終わりですか?」と驚かれることも多く、半日程度での撮影完了も実績として積み重なっています。依頼から納品まで最短1週間というケースもあります。
まとめ
介護・医療の採用動画をどう構成すればいいか、自社の現場でどう撮影するかについてお悩みの方は、スタジオナナへメールでご相談ください。現場の状況をヒアリングした上で、求職者に届く見せ方をご提案します。