「求人票を出しているのに、なかなか応募が来ない」「やっと採れた若手が、数ヶ月で辞めてしまう」――現場系の中小企業を経営していると、こうした悩みが何度も重なってくることがあります。
採用動画は、そのような状況に対して一つの切り口を提供するコンテンツです。求人票では伝えきれない仕事の空気感や働く人の姿を映像で届けることで、応募前の段階から「自分に合う会社かどうか」を求職者に判断してもらいやすくなります。
この記事では、採用動画とは何か・求人票と何が違うのか、そして中小企業がまず一本作るとしたらどう考えればよいのかを、順を追って説明します。採用コストをかけてもミスマッチが繰り返されていると感じている方に、参考にしていただければ幸いです。
採用動画と求人票は、何が違うのか
求人票が伝えられるのは、基本的に「事実の概要」です。職種・給与・勤務地・福利厚生といった情報は整理できますが、「実際にどんな仕事をするのか」「職場にどんな人がいるのか」「きつい部分も含めてどんな日常が待っているのか」は、文字だけではほとんど伝わりません。
採用動画は、その「概要の外側」を補うコンテンツです。映像として現場の空気感・働く人の表情・仕事の流れを見せることで、求職者は入社前に「自分がそこで働く姿」をある程度イメージできるようになります。
一方で、採用動画は求人票の「代わり」ではなく「補足」です。両方が揃って初めて、求職者に仕事の全体像が届きやすくなります。
なぜミスマッチは起きるのか
現場の実感として、「イメージが先行して、仕事内容が思っていたものと乖離していた」という状況が、早期離職の主な原因になっています。職場の雰囲気や、どんな人が働いているかが入社前に伝わっていないことが、後になって「こんなはずじゃなかった」という気持ちにつながります。
求人票には、仕事のきれいな面は書けても、現場の実際の忙しさや体力的な負担、人間関係のリアルは書きにくいものです。結果として、求職者は断片的な情報をもとに応募し、入社後に想定外のギャップに直面します。
入社前にリアルを見せておくことが、ミスマッチを減らす根本的な手段です。動画であれば、現場の映像・働く人の生の声を通じて、文字では伝えられない「仕事の実態」を届けることができます。
中小企業が「まず一本」を考えるときの視点
採用動画と一口に言っても、形式はさまざまです。会社紹介、社員インタビュー、現場の一日密着など、目的によって構成は変わります。予算や制作リソースに限りがある中小企業が「まず一本」を作るなら、何を優先すべきでしょうか。
「きれいに見せる」より「伝えたい相手に届く」を優先する
映像の完成度を高めることは大切ですが、採用動画の目的は「合う人に応募してもらうこと」です。きれいに演出された映像が必ずしも採用に直結するわけではなく、実際の現場の空気感・働く人の素直な言葉の方が、求職者の心に届くことがあります。
社員インタビューを中心に構成した採用動画で求職者からの反応が良かった事例があります。撮影自体は半日で完了したというケースです。規模や予算より、「何を伝えるか」の設計が先です。
見せることへの不安に正直に向き合う
「現場のきつさを見せたら、もっと応募が来なくなるのではないか」という不安を持つ経営者の方は少なくないかもしれません。ただ、現場の実態を事前に知ったうえで応募してくれた人の方が、入社後のギャップは小さくなります。
きれいごとを見せて採用しても、実態と違えば辞めていく。その繰り返しに疲弊しているとしたら、「合う人だけに応募してもらう」という発想の転換が助けになることがあります。
社員を出演させることへのリスクをどう考えるか
採用動画を作るうえで、「出演した社員が辞めてしまったら動画が使えなくなる」という心配を持つ方が多くいます。これは現場でも実際によく聞かれる懸念です。
その場合の一つの対処法として、モデルを社員役として起用するという方法があります。モデルを使えば、人員の変動に関わらず長く使い続けられる動画を作ることができます。自社の社員を出すかモデルを使うかは、動画の目的や使い方に合わせて検討する価値があります。
採用動画の形式と費用の目安
採用動画は、目的や配信先によって適した形式が変わります。以下に、代表的な形式と費用の目安を整理します。
| 形式 | 主な配信先 | 尺の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| ショート動画 | TikTok / Instagram | 30〜60秒(縦) | 制作費の一部として含まれることが多い |
| 本編動画 | YouTube | 10〜15分(横) | 制作30万円〜(目安) |
| 継続運用 | SNS全般 | 随時 | 月10万円〜(目安) |
費用はあくまで目安であり、内容・撮影日数・出演者の有無などによって変わります。制作会社に相談する際は、自社の予算感と目的を明確にしたうえで確認するとよいでしょう。
制作会社を選ぶときに確認しておくべきこと
採用動画の制作を外部に依頼するとき、ホームページだけでは会社の実態が分かりにくいことがあります。法人のように見えるホームページでも、実際は一人で運営している実質的なフリーランスと変わらないケースがあります。
フリーランスの制作者が悪いというわけではありませんが、スケジュールの直前キャンセル・品質のばらつき・連絡の遅さといったトラブルが起き、改めて別の会社に依頼し直すケースも実際にあります。制作を依頼する前に、会社としての体制・実績・対応の早さを確認しておくことが安心につながります。
まとめ:REAL JOBという選択肢について
この記事で述べてきた「入社前にリアルを見せる」という考え方を、一つの商品として形にしたのが、スタジオナナの採用ドキュメンタリー REAL JOB(リアルジョブ) です。
未経験者が台本なしで「本気の1日」を働く姿を演出せずそのまま撮る、というスタイルで、きれいごとではなく仕事の実態を映像に残します。入社3ヶ月で辞めるような人を、入社前に見極めてもらうことを目的としたコンテンツです。ガソリンスタンド・建設業・整備業・製造業・運送業・介護・福祉など、現場の仕事を持つ会社に特に向いている形式です。
ショート(TikTok/Instagram・30〜60秒・縦)と本編(YouTube・10〜15分・横)の2形式で制作し、費用の目安は制作30万円〜、継続運用は月10万円〜となっています。
入社前に仕事のリアルを見せる採用ドキュメンタリー「REAL JOB」について、気になることがあればお気軽にご相談ください。
よくある質問
採用動画を作ると、応募数は必ず増えますか?
採用動画は、応募数を増やすというより、「自社に合う人だけに応募してもらいやすくする」ためのコンテンツです。仕事の実態を事前に見せることで、入社後のミスマッチや早期離職を減らすことを主な目的としています。応募数の変化は、配信方法や配信先によっても異なります。
社員を動画に出演させることへの不安があります。どうすればよいですか?
出演した社員が退職した場合に動画が使いにくくなる、という懸念はよく聞かれます。その場合はモデルを社員役として起用する方法があります。モデルを使うことで、人員の変動に関わらず長く使い続けられる動画を作ることができます。自社の状況に合わせて、制作会社に相談してみてください。
依頼してから動画が完成するまで、どのくらいかかりますか?
内容や予算によって異なりますが、最短では依頼から納品まで1週間というケースもあります。スケジュールに希望がある場合は、相談の段階で伝えておくとよいでしょう。