新卒向けの採用動画を作ろうとするとき、「何を撮ればいいか」より先に考えるべきことがあります。それは、誰に向けて作るか、という問いです。
「新卒 採用動画」を検索している採用担当の方や社長の方の多くは、「きれいな動画を作ったのに応募が増えない」「社員インタビューを撮ったが手応えがない」という経験をお持ちではないでしょうか。その原因のひとつは、動画が「会社を良く見せるもの」として設計されていることにあります。学生の目線に立ったとき、その動画は本当に「自分ごと」として受け取られているでしょうか。
仕事の内容や職場の雰囲気が入社前に伝わっていなければ、せっかく採用しても「こんなはずじゃなかった」という早期離職につながります。採用動画は、会社を飾るためではなく、入社後のミスマッチを減らすための手段として設計することが、結果として来てほしい人材に届く一本になります。
この記事では、新卒採用動画の設計において「誰に向けて、何を見せるか」という視点から、現場の実務に即した考え方を整理します。
新卒学生が「自分ごと」にできない採用動画の共通点
採用動画の多くは、会社の設備や実績を紹介するか、社員が用意されたセリフを話す形式で作られています。映像としてはきれいに仕上がっていても、学生から見ると「言わされている感」が伝わってしまうことがあります。
台本があると、人は自然に「演じる」方向へ動きます。言葉が整いすぎるほど、見ている学生には「本当のことを言っていない」という印象を与えます。求職者の目は、思っているより正直なものを見抜きます。
もうひとつの共通点は、「社員が主役」になっていることです。社員インタビューは有効な手法ですが、それだけでは学生が「自分がそこで働く姿」を想像しにくい場合があります。仕事内容がどんなものか、一日がどう流れているか、が映像から伝わらないと、学生はその動画を「会社の宣伝」として処理してしまいます。
社員インタビューは有効だが、設計次第で効果が変わる
社員インタビューを中心に構成した採用動画で、求職者からの反応が良かった事例があります。撮影は半日で完了しており、必ずしも大がかりな制作が必要というわけではありません。
ただし、社員インタビュー形式にも実務上のリスクがあります。出演した社員が退職した場合、その動画がそのまま使えなくなるという問題です。採用担当の方からよく相談として上がるのも、金額の不安よりこちらの心配が先という現場の声があります。対処法としては、モデルを社員役として起用する方法があります。特定の社員に依存しないため、長期にわたって使い続けられる動画になります。
社員インタビューを使う場合は、「話す内容を事前に決めすぎない」ことが伝わり方のカギになります。言葉が自分の言葉に聞こえるかどうか、それだけで受け取る側の印象は大きく変わります。
仕事内容が伝わらないことが、ミスマッチの本当の原因
イメージが先行して、実際の仕事内容と乖離していた場合に離職が起きます。職場の雰囲気や、どんな人が働いているかが入社前に伝わっていなければ、採用コストをかけても定着につながりません。
入社前に見せておけば防げた離職というのは、現場で繰り返し起きている問題です。採用動画を「きれいに見せるもの」として設計すると、本来伝えるべき「仕事のリアル」が抜け落ちます。学生が求めているのは、その会社で自分が毎日どう働くかという具体的なイメージです。
現場系の仕事ほど、映像で見せることの効果は大きくなります。建設・整備・製造・運送・介護といった業種では、言葉で説明しにくい仕事の手触りが、映像であれば伝えられます。「きつそうだから応募しない」のではなく、「こういう仕事だと分かったうえで応募する」人が増えれば、入社後のミスマッチは減ります。
ショートとロング、どちらが新卒採用に向いているか
プラットフォームによって、動画に求められる長さと役割は変わります。新卒採用において、SNSのショート動画(TikTokやInstagramなど)と、YouTubeの本編動画では、使い方が異なります。
| 形式 | 尺の目安 | 向いている役割 |
|---|---|---|
| ショート動画(縦・SNS) | 30〜60秒 | 認知を広げる・興味を持たせる |
| 本編動画(横・YouTube) | 10〜15分 | 仕事のリアルを詳しく見せる・応募を判断してもらう |
ショートは「知ってもらうための入口」、本編は「応募するかどうかを判断してもらうための場」として機能します。両方を組み合わせることで、学生が段階的に仕事のイメージを深められる導線が作れます。
SNSでは、過度に演出されたものより、現場の自然な様子が刺さる傾向があります。スマートフォンで撮影した映像であっても、画角や動きにプロの技術が入ることで、素人が撮ったものとは異なる映像になります。
「見せたら来なくなるのでは」という不安に正直に答える
現場系の仕事を映像で見せることに対して、「きつそうに映ったら応募者が減るのでは」と感じる経営者の方は少なくありません。これは自然な感覚です。
ただ、視点を変えると、リアルを見せることで「合わない人が来なくなる」効果があるとも言えます。きれいごとだけの動画で応募してきた学生が入社後に「こんなはずじゃなかった」と辞めていくよりも、仕事のリアルを理解したうえで「それでも働きたい」と思って応募してくる学生のほうが、定着する可能性は高くなります。
採用動画は「多くの人を集める広告」ではなく、「合う人だけに来てもらうためのフィルター」として機能させる設計が、現場系の採用には向いています。
まとめ:REAL JOBという選択肢
上で述べてきた「入社前に仕事のリアルを見せる」という考え方を、ドキュメンタリー形式でそのまま形にしたのが、スタジオナナの採用ドキュメンタリー「REAL JOB」です。未経験者が台本なしで「本気の1日」を働く姿を、演出せずそのまま撮ることで、入社後のミスマッチを入社前に減らすことを目的にしています。
対象業種はガソリンスタンド・建設業・整備業・製造業・運送業・介護・福祉など、仕事内容が伝わりにくい現場系の業種に特に向いています。形式はショート(TikTok/Instagram・30〜60秒・縦)と本編(YouTube・10〜15分・横)の組み合わせで、費用の目安は制作30万円〜、継続運用は月10万円〜です。
入社前に仕事のリアルを見せる採用ドキュメンタリー「REAL JOB」について、気になることがあればお気軽にご相談ください。
よくある質問
新卒採用動画に社員を出演させる場合、退職後に動画が使えなくなりますか?
出演した社員が退職した場合、その動画をそのまま使い続けることが難しくなるケースがあります。これは採用担当者からよく相談として上がる実務的な悩みです。対処法のひとつとして、社員役のモデルを起用する方法があります。特定の社員に依存しない動画にすることで、長期にわたって活用できます。
現場の仕事はきつく映るので、採用動画で見せるのが怖いのですが?
仕事のリアルを見せることで「合わない人が応募してこなくなる」効果があります。きれいごとだけの動画で来た人が早期離職するよりも、仕事内容を理解したうえで「それでも働きたい」と思った人が応募する方が、定着につながりやすいと考えられます。入社前にリアルを見せることは、ミスマッチを減らすための設計です。
採用動画はショートとロング、どちらを作ればいいですか?
役割が異なるため、両方を組み合わせることが効果的です。SNS向けのショート動画(30〜60秒)は認知を広げる入口として機能し、YouTube向けの本編動画(10〜15分)は応募を判断してもらうための場として機能します。どちらか一方だけでは、学生が仕事のイメージを段階的に深める導線が作りにくくなります。